迎春記

しがないゲイの日常

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自意識は削れていけばいい

先日、34歳になった。年々、年を重ねる感覚が薄れている。つい先日30歳になったばかりだと思っていたのに、もうそこに30代の折り返し地点が来ている。恋人が「もう来年は四捨五入したら40歳だね」と言うのを"冷やかし"だと受け取ってしまうのは、実年齢に対して中身が伴っている自信がない証拠なのかもしれない。実際、自分が34歳と聞いてイメージする人物像になれている気はしない。

でも同じような感想は友人もよく言っているし、最近ではあの大谷選手でさえ、今年30歳を迎えることに対して「もうちょっと大人かなと思っていました」と言っていたので、そういうものなのかもしれない。

 

そして、年を重ねる感覚と共にもう一つ、私には年々薄れていくものがある。

 

それは"自分はゲイである"ということに対する"自意識"である。具体的に言うと、男2人で巷のデートスポットを訪れることに、最近は何の抵抗も感じなくなってきた。10年前、初めてできた恋人が私をディズニーランドに連れて行ってくれたときは、周りの視線に「"あの2人はゲイだ"と後ろ指をさされているのではないか」と感じてしまい、正直あまり楽しくなかった。裸で外に放り出されているような恥ずかしさがあり、始終顔がカーっとなる思いだった。それが今では男2人で温泉宿に泊まるし、女性客しかいないようなスイーツのお店に2人で訪れる。"自分が気にするほど、周りは自分達のことを見ていない"。10年前は理屈でしかわからなかったことが、時間をかけて少しずつ血肉になってきているんだと思う。

先日、誕生日祝いに旅行に行った際も、この自意識の薄れを感じること出来事があった。それは旅先のスターバックスに入った時のこと。この日は、たまたま恋人と私は服が被ってしまっていた。去年、JOURNAL STANDARD relumeから出たChampionとスターウォーズのコラボデザインで、私はC-3POとチューバッカがバックプリントされたスウェットパーカ、恋人はR2-D2のスウェットを着ていた。服の種類が違うとはいえ、色は同じグレーで胸元にはスターウォーズのタイトルロゴが入っている。

ドリンク注文後、恋人がトイレに行ってしまったので一人でドリンクカウンターで待っていると、ドリンクを作っている店員から声を掛けられた。

「お洋服、お揃いなんですか?」

話しかけられるとは思っていなかったので少し驚きつつも「そうなんですよ、二人ともスターウォーズ好きで」と言うと、彼女は「仲良しなんですね」と言って再びエスプレッソマシンに向き直った。少し恥ずかしさはあったけれど、顔がカーっとなることはなかった。ドリンクを受け取った後、落ち着いていられるようになった自分に気が付いて、私は嬉しくなった。年齢と共に積み上げていきたい成熟さもあるけれど、自意識みたいな過剰なものは年齢と共にどんどん削れていけばいいと思う。

宿の夕食後にケーキいただきました

34歳も健康に過ごせたらいいなぁ