迎春記

― しがないゲイの小噺 ―

大人しい大人たち

今日は恋人さんと一緒に映画館へ『牛首村』を見に行ったんですが、正直最悪でした。映画の内容がではありません。観る環境が。

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開始時刻の数分前くらいにシアターに入ると、観客の多くは高校生たちでした。私たちと同じくらいの年代の人もチラホラはいたのですが、シアター内は、映画館というよりは学校の教室のような騒々しさ。これからホラー映画を観るというのにこれでは雰囲気が台無しだなと、開始前から私のテンションは下がっていき、自分達の一列後ろの席に陣取る女子高生5人組が、明らかに隠して持ち込んだんだマックのポテトを食べ回しながら大声で談笑しているのを見ると、もう嫌な予感しかしませんでした。

映画が始まってからは、ご想像の通りです。止まることのない彼女たちの談笑。それはもう映画館で映画を観ているというより、まるでYoutubeでホラーゲームの実況動画を観ているかのようでした。

「え待って今の何?」
「無理無理無理無理無理」
「もう私死ぬかも」

死ぬわけねーだろ。そんなツッコミも、映画館の中では飲み込むしかありません。そして異形なモノが映り込んだら最後、声量だけなら主演のkoki顔負けの悲鳴が聞こえてくるのです。それは明らかに自分が目立ちたいだけの悲鳴でした。

なんでお金払ってまで素人の悲鳴を聞かせられなければいけないのだと、イライラしかしてなかったのですが、自分では注意する勇気もありませんので、このシアター内にいる数少ない大人の誰かが早く注意してくれないかなということを祈りながら観ていました。しかし結局最後まで、誰かが注意するということもなく、彼女たちの"実況"が終わることもなく、私の頭の中に映画の内容が残ることもなく終幕。さようなら1900円。

映画館を出ると、恋人さんも「怖いおじさんとかが怒鳴ってくれないかなって思いながら観てた」とぼやいていたので、どうやら私と全く同じ思いをしながら観ていたようでした。いや、きっと我々だけじゃないんでしょう。あの回一緒に観ていた数少ない大人たちはきっと、みんながみんな、誰か注意してくれないかなと思いながら観ていたんだと思います。ホント、声を上げるって難しいですよねぇ...。