迎春記

― しがないゲイの小噺 ―

コンプレックスにまつわるエトセトラ。

先日僕の恋人さんとの馴れ初めを書きました。

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ざっくり言うと、見た目がタイプな人と良い感じになって、中身のことはよくわからないけど、勢いで付き合いましたって話です(やっぱり軽いですね..笑)。その中で"日々少しずつだけど、内面の素敵なところにも気付かされてる"と言ったことを書いたので、今日はその「この人のこと好きだな」と思ったプチエピソードについて書きます。

恋人の好きなところを書く、というのは実に気恥ずかしいテーマですが、こういう恥ずかしい記事こそ、いつか訪れるかもしれない、この人とはもうダメかも...という場面において、一歩踏みとどまるための鍵になるような気がしています。だからちょっとでもそういう出来事があったら積極的にブログに書いていくつもりなので、どうか人助けだと思って、暖かく見守っていただけたらと思います。

プチエピソードを書くに先立って、僕の持つコンプレックスについて軽く書いておきます。ここで言うコンプレックスとは、運動が苦手、字が汚いとかいった、努力すれば何とかなる系のものではなくて、努力してもどうにもならないもの、つまり"身体的"コンプレックスのことです。

僕にとっての最も根強いコンプレックス。それが、アトピー体質だということです。とは言っても、重度のものではないので、しっかりと保湿をして、規則正しい生活を送っていれば、特に日常生活に支障はありませんし、見た目もそれほど気になるものでもありません。しかし、普通の、アトピーでない人に比べてしまったたら、やっぱり肌は乾燥しているし、首や関節など、皮膚の薄いところは少し赤みが出ています。だから、アプリでかっこいいなという人を見つけたとしても、プロフィールに「肌がきれいな人がタイプです」なんて書いてあろうものなら、告白もしていないのに振られてしまったような気持ちになってしまいます。

僕の周りの友人たちはみんないい人で、「そんなこと誰も気にしてないよ」と言ってくれますし、一番気にしてるのは自分なんだって理屈ではそんな気がするのですが、それでもやっぱり腹落ちはしていないです。

さらにめんどくさいのが、僕がこのコンプレックスに関して、2つの矛盾する思いを持っていることです。それは、拒絶はしてほしくないけど、”タブー化”もしてほしくないということです。つまり、相手から”触れないであげよう”と気を遣われるのも嫌なのです。ホントめんどくさいですよね。

ですが、そんな矛盾した思いに応えてくれたのが、今の恋人さんです。

冬の乾燥の季節。症状が一年で最も悪化する季節です。去年はさらに仕事の繁忙期も重なって、肌の治安、特に首の治安が最悪な状態でした。そんな時期に一緒に歩いていた時です。無意識に首を掻いていたかもしれません。すると「首痒そうだね」と切り込んできたのです。一瞬、心臓をつかまれたような緊張が走りました。ですが、それに続けて、「俺もアトピー持ちなんだよね」と言って、腕を見せてきました。

思わずホッとしました。と同時に、とても嬉しくなりました。この人はアトピーのこと拒絶もしないし、タブー化もしない人なんだなということがわかったからです。肝心の、その見せられた腕というのは、"お世辞にも"アトピーとは言えない、数個の発疹が申し訳程度にあるだけで、当事者の僕から見たら、ただのあせもやん。としか言えず、拍子抜けでしたが。

ですが、そのやり取りには大いに救われた思いがしました。僕の中の一番根強いコンプレックスに関して、一番求めていた形で触れてもらえたのです。付き合って初期の段階で、ここを乗り越えられたのは、地味に大きかったなと今では思っています。

 

とまあ、"プチエピソード"と呼ぶのも怪しいくらい、ささやかなエピソードで、きっと向こうは僕がこのやり取りでどれだけ救われたかなんて全く気付いていないだろうな、というお話でした。

(おわり)