2/17(月)
入院していた上司が今日から復活。朝のチームの朝会で「急に2週間もお休みしてご迷惑をおかけしました」から始まる報告があった。心筋梗塞だったらしい。月曜にいつもとは明らかに違う胸の詰まりを感じて病院に行ったところ、待合室で待っている時に倒れた、とのことだった。想像していたよりも怖い病名が出てきて言葉を失う。電話会議だったのでわからないが、他のチームメンバーも同様だったと思う。誰もリアクションしない沈黙の時間があった。それを埋めるようにして、上司が「そんなに深刻じゃなくて、これから通院しながら運動制限も解除されて普通に生活できるみたいなので心配しないでくださいね」と付け足した。そう言われましてもという感じ。チーム状況としては、土日祝日も交代で出社しているという繁忙期なのに大丈夫なのかなと思う。
2/18(火)
寒い。家を出たときに冷蔵庫の中かと思うくらいに寒かった。また寒波が来ているらしい。最高気温ですら10℃を切るのだから、朝の気温は文字通り冷蔵庫並みの寒さだったと思う。
ちなみに私は冷蔵庫の中に実際に入ったことがある。実家が自営業で、家に人が入れるサイズの冷蔵庫があったからである。小さい頃は、夏に涼を取るためよく中に入っていた。最初は扉を締め切らずに入っていたので、庫内の温度が上がってしまうのを気にして短期間だけにしていたが、扉の内側にある赤い取手のついた押し込みレバーを使えば、内側から扉を開けられることに気付いてからは、扉をしめ切って庫内の冷気を思う存分楽しむようになった。意外と長時間はいられないものだったけれど。
先日帰省した時に久々にその冷蔵庫に入ったのだが、私の記憶の中の冷蔵庫よりも随分と小さくなっていた。物理的にではなく主観で。こんな狭いところに入ってたんだと少し驚いた。
そんな印象を持つのは冷蔵庫だけではない。最近は実家にあるあらゆるものが小さく感じる。部屋の広さも、天井の高さもそうだし、頑張って手を伸ばさなければお菓子を取れなかったキッチンにある高めの出窓も、今は隅の埃が気になるくらいに上からよく見下ろせた。何より、親がなんだか小さくなった。これらは全部、自分が大きくなったことの証左で感慨深いものだが、少しだけ寂しさもあった。この前、父親が「俺たちは良くてあと20年だな」と冗談めかして言っていたのがまだ心に引っかかっている。
2/19(水)
いつも通り実験室で作業していると、去年の9月11日の日記で"高田純次に似ている"と書いたS元部長が作業をしていて声をかけられた。私が入社した時に部長だった人で、対面で会ったのは7年ぶりくらいだったと思う。全く変わっていなかった。パソコンに向かって真剣に作業をしている横顔には怖さを感じるくらい渋みがあるのだが、一声発するとゆるさ全快でとてもフランク。今日の第一声は「よぉ」だった。定年後は嘱託社員として働いているようで、今は「いやぁ~試験要員にさせられてるよ〜まったくよぉ」らしい。ベースボールキャップをかぶり、上はラフなトレーナー、下はジーンズをブーツインという出で立ちは、実験室の中でかなり浮いていた。
入社して最初の直属の上司だったH課長が、竹田恒泰似(激似)の超スパルタな人で、仕事中に何度も心が折れかけたのだが、ある飲み会のときにS元部長から「まぁあいつは厳しいけど、あいつに付いて仕事しておけば間違いはないから」と言われて、辛いけど頑張ろうという踏ん張りがきいた記憶が思い出される。S部長とH課長のコンビは、私にとってちょうどアメとムチで、とても良い新人時代を過ごせたのだと思う。今思えばだけど。当時は辛かった。
2/20(木)
9時出社。22時退勤。以上。
7 恐れは病気だ
悪い想像をすることで病気が悪化するのだという話だったと思うけど、ちょっと例えが多すぎて消化できてない。
患者にすっかり気に入られて、患者が自分自身の苦痛に関心をもつように仕向けるような医者は下手な医者であろう。ほんとうの医者は、反対に、患者に「どうですか、おからだの具合は?」と決まり文句を投ずる。でも、患者の答えなどもう聴いてはいない。
2/21(金)
8:15起床。今週は昨日まで9時前出社を維持できたけれど今日は間に合わない。やっぱり今年の「9時出社を3か月継続する」という目標は達成できる気がしない。
お昼、食堂に向かう途中の廊下でF部長を見かけたので軽く会釈をした。私が今応援対応で入ってるプロジェクトの部長で最近会議ではよくやり取りするが、会社で見かけるのは数年振りだった。
このF部長、いわゆるハンサムである。今日はパーカーとジーンズという服装だったのだが、F部長のことを"パーカーおじさん"と呼ぶ人はおそらくいないだろう。全く違うチームの人なのに、新人の頃から遠巻きに見つけて以来、存在は認識していた。
私の職場は基本的に身だしなみには無頓着で、見た目の年齢が実年齢を上回っている人が多い。そんな仕事に集中するには絶好な職場環境において、このF部長だけが唯一私の集中力を途切れさせる存在だった。気を抜くと「あの人イケメンだよな?」→見る→「うんやっぱりイケメンだ」という目視確認を何度もしてしまいそうになる。だから私はジムで格好良い人を見かけた時と同じ配慮をしなければならなかった。本能的に引っ張られる視線を意識的に引き戻すという配慮。 見ないようにすればするほど意識してしまって、筋トレとは違うところでエネルギーを消耗する作業である。でもSNSで「ジムでめっちゃ見てくる人がいてキモかった」と通報している人を度々見かけるので、キモいと思われたくない一心でこちらも必死になる。F部長にも彼らと同様の引力があった。
お昼休み後、実験室で作業をしているとそのF部長が私の元へやってきた。これは入社以来初めてのシチュエーションである。もちろん仕事の話で、今のプロジェクトの遅れを挽回するための試験環境増強についてだった。初めて引力に身を任せた会話ができた。思ったより落ち着いて会話できている自分の理性を誇らしく思う。と油断したのも束の間「物はこの辺に揃ってるから接続すればいけると思うんだよね。どう?」というあまりに雑な仕事の振りに、思わず「できます!」と言いそうなった。何とか口から出る直前で「確かにできそうではありますね」と確度を下げる。雑な感じで仕事を受けると後で大変なことになる、というのはこれまで何度も経験していたことだった。危ない。この"F部長重力圏"での仕事の安請け合いには注意しなければならない。
今日は月度が変わった初日で、残業時間がリセットされたので長時間残業となり、帰宅は日を跨ぐ直前だった。家から帰宅すると、突然インターネット接続ができなくなっていたのだが、疲れていたので放置して寝た。
2/22(土)
10:00起床。8時に目覚ましをかけたつもりだったのに(鳴った?)。間違いなく雀魂をやりながら長風呂をして寝るのが2時を過ぎたのが悪いのだが。
今日は午前中に皮膚科に行って、その後に東京体育館で泳ぐ予定。8時起床であれば、一通り午前中に済み、午後はゆっくりできそうだったのだが、今からだと半日が終わりそうな状況である。急いで支度をしないと午前しか開いていない皮膚科の診察も危うい。
急がなければいけない状況なのだが、昨日からのインターネットの不調がどうしても気になってしまう。前日に放電しきれば直るかもしれないと思ってコンセントを抜いておいたインターネット接続機器類の電源を入れてみるが、事象は改善せず。気になってあれこれとトラブルシュートしたいのだが、今はとにかく皮膚科に行かねばならないので急いで支度をして自宅を出た。
ところが泳ぎに行くのにコンタクトではなく眼鏡で出てきてしまい一度自宅に帰宅、さらに次は社給携帯を忘れたことに気が付いて再び自宅に戻る羽目になった。ただでさえ遅れているのに、度重なる自分のミスにいら立つ。どう考えても自分が悪いのだが、誰かのせいにしないと収まらない。そもそもインターネットが突然繋がらなくなったのが悪い。それのせいで注意を半分くらい削がれた。しかしインターネットを敵にする程度では私の腹の虫は治まらず、最終的に「先日乗換えの勧誘を断ったプロバイダ業者がサイバー攻撃を仕掛け、私の家のインターネットを遮断している」というシナリオを採用。少しすっきりする。
皮膚科を済ませて、恋人との待ち合わせ場所の千駄ヶ谷駅前のエクセルシオールに到着したのは13時手前。恋人が二日酔いでさらに遅刻をしてきたので泳ぎ始めたのは14時を回ってからだった。1,500m泳ぐ。今日は左の肩が固いことを指摘され、次回はドリルとしてショルダータッチクロールをするように勧められた。
2/23(日)
9:30に起床する。時計を見て「やばい遅刻した!」と焦ったのだが、私が出社するのは明日の祝日の月曜日だったと思い出した。最近は休みの日も社給携帯でTeamsチャットをチェックしてるので、平日と休日との境界が曖昧になっている。
午前中はインターネットの調子を調べる。ルーターの初期設定をやり直したら直った。原因は分からないが、認証が切れていたっぽい。
午後はDr.Stretchへ。最近行った松之山温泉旅行の話をしたら、案の定誰と行ったのかという話になり、「彼女」だと性別の嘘をついたら、これまた案の定「そろそろ結婚の話とか出ないんですか?」と聞かれた。二十代の頃は彼女の質問まで終わっていたのに、三十代も半ばになると当然のようにその次の結婚の質問までついてくる。面倒くさい。去年パーソナルトレーニングのときに同様の面倒くささを経験していたはずなのに(→参考:さようなら、我がイマジナリー彼女(2024/2/29))、また嘘をついてしまった。
なぜ見栄を張ってしまうのかというと「いい年して結婚も付き合う相手もいない寂しい男だと思われたくない」からで、それは何より自分自身が「いい年して結婚も付き合う相手もいない男=寂しい男」というレッテル張りをしていることに他ならず、結局の元凶は自分自身なんだよなぁ。ということをストレッチされながら考えていた。まぁトレーナーとは数ヶ月程度の付き合いでしかないのだから、適当に嘘を突き通して気にしない胆力も欲しいところである。