迎春記

しがないゲイの日常

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イマジナリーお花見旅行【吉野山】

ちょうど先週、4月1日のことですが、友人がInstagramに奈良・吉野山の桜が満開になっている写真をアップしているのを見て、私は愕然としました。なぜなら私もその翌週、つまり今週末の4月8日と9日で、恋人と吉野山へお花見旅行を計画していたからです。

 

「え来週まで桜もたなくない?」

 

一瞬は不安な気持ちになりましたが、吉野山は日本屈指の桜の名所。平安時代から植えられ続けてきた約3万本の桜が、山下の「下千本」から順に「中千本」「上千本」「奥千本」と山上へと開花し、3月下旬から約1か月桜を楽しめると言われている場所です(Wikipediaより)。そんな吉野山の"桜力"を信じて、我々2人は予定通り旅行を決行いたしましたので、その記録をブログに残します。

 

結論を先に言っておきますと、タイトルが全てです。

 

では、どうぞ。

 

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起床は6時。行きは7時発の新幹線です。残酷なことに、前日の金曜はニュースで"春の嵐"と伝えられるほど雨風の強い夜。その横殴りの雨が窓を揺らすたび、頭の中で吉野山の桜が吹き飛ばされていくイメージが浮かんでしまい、眠れぬ夜となりました。

朝起きると、怖いもの見たさもあったと思うのですが、まずスマホで「吉野山 桜開花情報」と調べてしまいました。その答えがコチラです(吉野町公式ページ)。

 

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どうやら既に瀕死のようです(Wikipediaの嘘つき!涙)。

特急電車の都合で吉野山での滞在時間は3時間半ほど。恋人とは「下千本から中千本くらいまでをゆっくり見て、時間があれば上千本まで行ってみようか」という話をしていたので、このままだと葉ざくらしか見られない恐れが出てきました。新幹線の中で恋人と緊急の作戦会議をしながら、まずは経由地となる京都へ向かいます。

唯一の救いは天気の良さ。新幹線からの富士山がとても綺麗でした。

9時過ぎに京都に到着。吉野までは、近鉄の特急列車で行きます。残念な開花情報ではありましたが、我々と同じように後に引けなくなった人たちが多いようで、橿原神宮前から吉野までは満席でした。

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11時半頃、吉野駅に到着。

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ここからは吉野山をどう廻るかで、人の流れが分かれます。我々2人が新幹線で立て直した計画はこちら。

とにかく桜が見たいので、目指すはもちろん「奥千本」です。そのため、吉野駅から出る中千本公園行きのバス(→①)、竹林院から出る奥千本口行きのバス(→②)を使って奥千本を目指し、そのあと歩いて下山しながらギリギリまで桜を楽しむ(→③)。これが今日桜を楽しむ唯一にして最高の行程に思えました。

①と②のバスの所要時間はどちらも15分程度。③の徒歩は7km弱ありましたが、ほぼ全てが下り道であること、そして我々2人がトレイルランを嗜む健脚カップルであることを考慮すれば、帰りの特急列車までの3時間半で十分に回れます。

 

しかしこの完璧に思えた計画も、竹林院前で奥千本口行きのバス②の乗車券を買おうとしたときに見事に瓦解するのでした。

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只今のバス待ち時間......「90分」。

 

Nooooooooooooo!!!!!

 

今考えれば観桜期ということを考慮していない間抜けなプランです。待ち時間を見て、私は恋人と2人「桜は見たいけど奥千本までは行けない、どうしよう」とまごついていたのですが、そんな優柔不断な我々を一押しも二押しもしてくれる出来事が起こりました。

突然、バスの乗車券売り場に並ぶ人の列を整理していたおばちゃんが「奥千本口行きバスのチケットにお並びの皆さん!!」と声を張り上げて、こう言い放ったのです。

 

「帰りのバスも同じくらいの待ち時間が予想されます!!ホームページに奥千本エリアの開花情報が出ておりますが、昨日の雨風で、奥千本の桜は全て......散・っ・て・お・り・ま・す!!!!!!」

 

うそでしょーーーーー!!!!

 

ざわつく人々。しかし我々はというと、おばちゃんのあまりの潔さに、ガッカリを通り越してなぜか爆笑。そのあとせっかく来たのだから景色の良い所まで登って帰ろうかということで、眺望の良いと有名な「花矢倉展望台」まで行くことにしました。

展望台までの道のりは中々傾斜のある坂道で、足腰には自信のあった我々にとってもなかなか堪えます。そして息の上がった我々を待っていた景色がコチラです。

 

 

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......あ間違えた。これ拾い画です。

 

こっちです。

 

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緑色っ!!笑

 

その後も山を下りながらピンク色の景色を探すのですがほとんど見つかりません(ちらほらと八重桜は咲いていました)。

でも元ピンク色だったであろう場所はたくさんあり、2人で「ここ桜咲いてたら綺麗だったんだろうね」と"イマジナリー花見"をしながら山を下りるのでした。

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......はい。という訳でいかがでしたでしょうか。桜って本当にあっという間に散ってしまうんだということを改めて実感したお花見となりました。吉野山、またいつかリベンジします。

 

とはいえですね、この吉野山が残念だったかというと、意外とそうではないです。

 

まず何より天気がとても良かった。

金峯山寺

天気の良い日に自然の中を散策する。知らない土地に来れば、これだけで十分に非日常間を味わえて楽しいものです。また、下千本エリアの食べ歩きも楽しかった。筍の天ぷら、よもぎのみたらし団子、葛餅、厚揚げ豆腐、鮎の塩焼き、手焼きせんべい。どれもとても美味しかったです。

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あとは今回、京都に宿を取ったので、吉野から京都に戻った後は、初めて先斗町に飲みに行ったり、翌日は嵐山を散策したりと、旅行全体としては普通に楽しめました。

先斗町

料理がオシャレ+美味い

渡月橋。朝早く行ったので人が少なめで良かったです。

嵐山の遊覧船

嵐山公園の頂上展望台から

竹林の小径(と大量の自撮りする観光客)

宝厳院でお抹茶いただきました

京都は外国人観光客だらけで、こんなに歴史ある街並みなのに、まるで日本じゃないみたいな雰囲気で不思議でした。京都もそのうちゆっくりと巡ってみたいです。

 

(おしまい)