迎春記

しがないゲイの日常

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迎春日記(2023W12)

2023年3月20日(月) 晴れ

7時に起床。最近指先に汗疱が出来たせいで、痒くて寝つきが悪い。昨日も早め(23時)にベッドに入ったのに指先が痒くてなかなか寝付けなかった。Fitbitの睡眠スコアはいつもと同じ75点。指先の皮が固くなって見栄えも良くないので早く治したい。自分のボロボロな指先を見ていたら、ふと柳楽優弥の指先のことを思い出した。先日イッキ見した『ガンニバル』の中で、柳楽優弥がパンクした自転車のタイヤを指で確かめるシーンがあるのだが、そこでアップになる柳楽優弥の指先がとても綺麗だった。手が綺麗な人羨ましい。

今日は飛び石連休の中日だったので結構お休みしている人がいる。私も4連休にしたかったのに、ただでさえスケジュールが遅れているので仕方なく出勤となった。毎日進捗はあるものの、スケジュールからは少しずつ遅れていくという日々。また顧客先に遅れの報告をしないといけないと思うと憂鬱になる。

2023年3月21日(火) 曇り

7時に起床。朝ごはん(塩鮭、目玉焼き2つ、ご飯)を食べ、軽く部屋を掃除した後で恋人と会うために外出する。祝日だが天気が悪そうだったので、前日に映画の予約をしておいた。公開からずっと気になっていた『エブエブ』。ようやく観に行く機会を得た。

恋人に合流する前にカフェで読書をしていたのだが、9時ごろミドルエイジの男性が「いや〜日本負けちゃったよ〜」と言いながら入ってきた。「えー今日負けちゃったら明日の楽しみが無くなっちゃうんですけど」と応対する店員を見るに常連のようである。会話から私もWBCの準決勝・メキシコ戦のことを思い出し、気になって試合結果を調べてみる。順調な勝ち上がりに当然決勝まで行くと思っていたから、少し残念な気持ちになりながら公式ページを開く。5回表、0-3......ん?ページが更新されてないだけかと思い、何度もページに更新をかける。しかし何度やっても5回表だった。どうやらこの常連おじさん、4回表に3点を取られた時点で日本が負けたと判断し、行きつけのカフェにコーヒーを飲みに来たようだ。なんだよ、侍ジャパンの逆転を信じて応援してあげないのかよと、少しむっとした気持ちになった。もちろん応援すらせずに最初からカフェにいた自分のことは棚に上げたままである。

11時、待ち合わせのみなとみらいに到着。久々のみなとみらいは、かなり賑わいを取り戻していた。お昼はランドマークタワーにあるSizzlerへ。この街の賑わいに、ある程度の待ちを覚悟していたのだが、待ち時間ゼロであっさり入店できた。新宿店より人が少なくて良い。

メカジキのハーブグリルを食べた

今朝の常連おじさん諦め早すぎ事件を受けて、その後の試合展開が気になったので、食事中もチラチラとWBC公式サイトのテキスト速報を見てしまう。するとちょうど食事を終えたくらいのタイミングに、村上の逆転2点タイムリーが決まった。私は一人で盛り上がったのだが、恋人含め周囲を見渡しても、そのような客はいない。普段スポーツ観戦をあまりしないので、この日初めて気持ちの盛り上がりを共有できないもどかしさを知った。テキスト速報も淡白過ぎて物足りなかったので、すぐにTwitterで動画を検索。

お昼を回って、いよいよ『エブエブ』鑑賞へ(注:以降ネタバレ)。

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私が一番好きになったのは、ステファニー・スーが演じたジョブ・トゥパキ。毎回斬新な衣装とメイクで登場し、それがバッチリ決まっているのがカッコいい。特に主人公・エブリンと国税庁で邂逅するシーンは、そのテンポが良く印象的だった。あのシーン見るためにもう一度観てもいいというくらい。と思っていたら予告動画にそのシーンの一部を見つけた(※下記動画の冒頭~0:50くらいまで)。


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......惜しい!私が痺れたのはこのあとだ。後ろにいた警備員に銃で撃たれ、ジョブ・トゥパキが出血......したように見せかけて、実はそれは血ではなくケチャップで、ケチャップ片手に余裕の表情で「大丈夫......Organic」とポーズを決める。ここが最高。(※こちらで画像だけみつけた)

Organic...!

コメディ感のあるシーンなのだが、そのコメディさが逆に圧倒的な実力と脅威を感じさせてゾクッときた。

マルチバースを描いたストーリーも、私がこれまでに見てきた映画には無い自由度の高さで衝撃的だった。映画を見終わった後で、このマルチバース観を自分の人生に当てはめてみる。あの時あの先生に出会ってなかったら、あの大学に合格していたら、あのサークルに入っていなかったら......と簡単に色々な選択の分岐をあげることができる。私は〇〇になりたいというような憧れを持たなかったから、どの世界線も今の自分と似通った人物になっている可能性は多分にあるが、そんな自分でもあの時こうしていればと思う分岐はいくつか思い当たった。だから今の自分が取らなかった選択肢を選んだ自分の世界線はやっぱり覗いてみたい。

ひとつ気になるのはマルチバースに「異性愛者」である自分はいるのかということ。これだけは"選択"したものではないから。でももしあるのであれば、その世界線が一番バース・ジャンプしてみたいかも。

16時。映画を観終わった後で、みなとみらいを散策。赤レンガから山下公園にかけて、アカペラ祭のようなものをやっていて賑やかだった。大学生くらいのグループがある程度距離を取って点在し、各場所で人だかりを作っている。アカペラだとまずボイスパーカッションを探す。どこからあの音が出ているのか未だに理解ができない。

その後カフェで一休みして夕方に解散。私はそのままジムへ行ってから帰宅した。今日は早く眠れそうだから嬉しい。

2023年3月22日(水) 晴れ

7時起床。今日も午前中在宅からの、午後に出社する。お昼休みの間に出勤するのだが、駅までの道すがら、すれ違った4人組が「村上は最初4番起用だったからプレッシャーかかってダメだったんだなぁ」と話すのが聞こえてきて、そういえば午前中にWBCの決勝だったことを思い出した。急いで試合結果をチェックすると、すぐに見つかる優勝という文字。すごすぎる!侍ジャパン!純粋にそう思って元気が出た。スポーツの力ってすごい。

2023年3月23日(木) 雨

7時起床。外に出ると空気がひんやりとしていて、わずかに霧がかってすらいる。ちょうど山小屋で早朝に起きた時のような朝だった。予報通り、その後すぐに雨が降ってくる。

仕事は自分が担当している試験がトラブル続きで進捗が悪く、少しイライラモードだった。それは何でもかんでも確認を取ってくる後輩君に対しても、進みが悪いからと当たり前のように土日稼働を仄めかしてくる先輩に対しても。でもここで怒りをぶつけたところで何も解決しないし、雰囲気が悪くなってむしろマイナスだという自分の中の理性が、吹きあがりそうになっている感情の蓋を必死に抑え込んでいた。でも反射的な感情の爆発と、それを抑え込もうとする理性には現れるタイミングにラグがあり、理性の方は少し遅れてやってくる。今回は間に合ったものの、次はどうか分からない。早くこの仕事が落ち着いて欲しい。

2023年3月24日(金) 晴れのち雨

7時に起床からのカフェで朝読書。ついに『暇と退屈の倫理学』を読了。あとがきの後に付いていた付録「傷と運命」の章が、これまた読みごたえがあって面白かった。倫理学、好きかも。さっそく、國分さんの本をもう一冊購入してしまった。『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』。2023年の目標で立てた「古典的名作を1冊読む」という目標で何を読もうかと考えていたところ。スピノザの『エチカ』、良いかもしれない。しかしまだ読み切る自信がないので、入門書らしきものから読んでみる。

12時、出社のため家を出発。家を出た時は良く晴れていたせいで、雨が降ることは知っていたのに折り畳み傘を持って行くのを忘れてきてしまった。21時に仕事が終わったのだが、案の定、雨がぱらついている。恋人が私の会社の最寄駅に住んでいるため(これは本当偶然)、駅まで傘を持ってきてもらった。助かる。

帰宅後、フィギュアスケート世界選手権での坂本花織の優勝の一報を知る。昨年末の全日本選手権での安定した演技を見ても、ロシア選手が出られないという世情を踏まえても、坂本選手が優勝は堅いなと思っていたので驚きはしない。でもフリーの演技を見てみると、後半の3F+3Tのコンビネーションジャンプで、ファーストジャンプのフリップが1回転になるミスがあり、本人も悔しさの残る結果だったようだ。優勝しているのにキス&クライで号泣している坂本選手。隣のコーチから「もう一回はできないの」と言われていて、改めてスポーツの世界ってシビアだなと思った。長い時間かけて練習してきて、ほんの一瞬の試合でその成果を出さないといけないのだから酷な世界だ。だからこそ沢山ドラマが生まれるんだろうけど。


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2023年3月25日(土) 雨

7時起床。今日は恋人とランチをしたあとで、友人宅ですき焼きをしに行く予定。朝読書もしたかったので早めに家を出る。今日からダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』を読み始めた。The名作。でも初めて読む。

11時、恋人と合流して早めのランチを取る。美味しそうだったのでエビとムール貝の入ったペスカトーレを食べた。美味しかったのだが、殻付きのエビを食べるのが大変で、見た目のインパクトや味が落ちてもむきエビの方が好きだなと思った。

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14時、友人宅へ向けて出発。途中、新宿三丁目駅で都営新宿線に乗り換える際にちょっとした出来事に遭遇した。

駅の階段を下りている時のことである。急に階段で後ろを歩いていた恋人から「ねぇ見て」と囁かれた。恋人の視線を追うと、ちょうど我々の横を、茶系できれいなミディアムヘアの女性が追い抜いて行った。上はゆったりとしたグレーのスウェットパーカー、下は脚のラインがくっきりと出る蛍光イエローのレギンス。NIKEのスニーカーを履いているのに、カツカツとヒールの音が聞こえてきそうな足取りだった。確かに周囲の人とは違うオーラのようなものを纏っている。しかし、ここが東京であることを考えれば、特段珍しいことではないと思った。恋人の真意を測りかねて、改めて恋人に視線を戻すと、恋人はもう一度小声で言った。

「あれ、氷川きよしじゃない?」

あ、と思った。自分を横切るときに見た横顔を思い出してみると、確かに"kiina"と名乗るようになってからの氷川きよしのそれと一致する。そしてあのオーラ。マジで本人かもしれない。普通に電車移動とかするんだね、という話を恋人としていたのだが、ふと一つの違和感に行き当たった。

「でも、氷川きよしってあんな身長だったっけ?」

我々を横切るとき、その女性は我々とほぼ同じ身長、つまり170cm前後であった。急いで「氷川きよし 身長」で調べる。結果は178cm。氷川きよしは結構身長が高いということがわかり、私たちが見たのは一般女性であることが確定した。もしかしたら男性の可能性もある。いずれにせよとても綺麗な方だった。やっぱりkiina様はお美しいのである。

15時、友人宅到着。返礼品でもらったという米沢牛やら、佐賀牛やらを使ったすき焼きを食べ、あまり手に入らないらしい日本酒を飲んだ。

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最近は噛み応えのある鶏むね肉ばかりを食べているから、口の中に入れた瞬間にとろけてしまう肉に、脳内麻薬の分泌と悪玉コレステロールの上昇を感じる。ちらつく罪悪感は、毎週土曜日お決まりのおまじない「明日からは節制しよう」で抑えつけた。私はあまりお酒が飲めないので、日本酒の方はおちょこで1杯頂く程度だったのだが、水のようにお酒感がなくこれなら自分でも飲めそうだと思った(でもそれ以上はやめておいた)。

他の料理も春っぽくて最高

2023年3月26日(日) 雨

12時過ぎに起床。朝方の恋人が昨日日本酒を飲み過ぎたせいで午前中ダウン。やはり美味しい日本酒というのは怖い飲み物だと思った。調子に乗って飲まないで正解だった。しかし朝には弱いのは相変わらずで、恋人と一緒になってベッドでゴロゴロしていたら、二度寝三度寝を繰り返し、気が付いたら正午を回ってしまっていた。

ベッドでゴロゴロしている時、宇野昌磨選手の世界選手権連覇のニュースを発見。


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同じ優勝という結果なのに、自分のやれることはやり切ったという点で、女子で優勝した坂本選手とは対照的なキス&クライだった。