迎春記

しがないゲイの日常

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迎春日記(2023W11)

2023年3月13日(月) 曇りのち雨

7時に起床からの朝カフェへ。『暇と退屈の倫理学』を読み進める。今日からハイデッガーの話。哲学についてはガチの入門者なので読み進められるか心配。

午後から出社して試験作業。何人かから借り物をしながら試験を勧めなければいけないのに、借用依頼を出しても音沙汰無し。Teamsで呼びかけてもガン無視されて詰む。ただでさえ進捗が遅れていて、今週リカバリーしないといけないのに。焦りもあるが、今日は「なんで協力してくれないんだよ」という怒りの方が上回っていた。こういう時、頭の中で自分の上司から「なぜ打開策を考えようとしないのか」「頼み事ばかりで自分は指をくわえて待っているだけでいいのか」と詰められている場面をイメージしてしまう。その時イメージの中の自分は「そんな事言ったって!」と怒りを爆発させて、後になって後悔をしている。現実の上司はそんなこと無いんだろうけど、私の中のイマジナリー上司はいつも私に厳しい。こういう時に自分の中の苛立ちを収める方法を習得したい。例えば「おみやげみっつ、たこみっつ」みたいな。

『おおかみこどもの雨と雪』で出てきた狼にならないためのおまじない。まぁこのおまじない、いざという時に効果はなかったんだけど。

2023年3月14日(火) 曇りのち晴れ

7時起床して、カフェで『暇と退屈の倫理学』。今日は退屈の第一形式、第二形式について。小難しい話を覚悟していたが、実に身近で具体的な例(第一形式:駅で電車を待つ間に感じる退屈、第二形式:参加したパーティーで感じる退屈)から、考えを深めていくのでとても分かりやすかった。

仕事は昨日の停滞感が嘘のように色々と決まっていった。昨日返信のなかったチャットに返信があっさり来たのが大きい。今日は返信率が良い。これだけでスケジュールがリカバリーできた訳でもないのに焦りがなくなる。この1日が待てないんよな。

帰り道、会社の近くでハクビシンを見た。初めは野良猫かと思ったのだが、鼻筋に白くラインが入っていたからあれはハクビシンだと思う。

http://www.ecore.jp/business/hakubishin.html

見た目も違ったが、何より挙動が違った。例えば人通りがあるような道を横切るときは、猫は人を警戒してタッタッタッタッと駆けていく。ネコ科らしく全身がバネのように伸縮する。横切るところをじっと眺めていると、猫側も視線を感じるのか、道を渡り切ったあとでチラッとこちらを振り返る。これがかわいい。

しかし、昨日のは違った。それは人通りのある歩道だったのだが、人目も気にせずに通りを歩いている。擬音をつかうなら、スタスタと。だからあれは猫ではない。となると見た目からもやっぱりハクビシンのはず。街中で遭遇したのは初めて。写真を撮ろうとしたのだが、人通りもあり恥ずかしかったのでやめておいた。帰りの電車で恋人に報告すると「狂犬病持っているかもしれないからあまり近寄らない方がいい」と言われ、近づかなくて正解だったと思った。

2023年3月15日(水) 晴れ

今日は久々に朝から出社しないといけない日。でも朝読書はしたかったので、6時に起床して早めに家を出た。会社の近くのドトールで1時間ほど『暇と退屈の倫理学』の続きを読む。退屈の第三形式(「なんとなく暇」)に到達。

仕事の帰り、自宅の最寄り駅に着くと、スーツを着たミドルエイジのサラリーマンたちが10名ほどで何やらじゃんけんをしていた。大きな声で「あいこでしょ!」の声が何度も繰り返されている。私は駅の出口から100mほどのところにあるエニタイムに行く予定だったのだが、私がエニタイムに入るまでの数十秒間、そのじゃんけんは勝敗が付かなかった。「10人でじゃんけんなんて、一生勝負付かないだろうな」と思っていると、ふとどれくらいの確立なのだろうということが気になり、帰宅した後で学生ぶりにネットで確率の復習をしてみると(余事象とか懐かしい!)、その確率は実に「94.8%」。そりゃ決まらんね。

2023年3月16日(木) 晴れ

6:40起床。7時にかけた目覚ましよりも早く起床。朝読書(『暇と退屈の倫理学』)は今日から人間学の章。ユクスキュルの「環世界」の話が出てきた。全ての生物は別々の時間と空間を生きている、らしい。ダニがどういう世界(時間と空間)を生きているかを見ながら、人間の世界でのマダニの捉え方と、マダニの世界での捉え方との違いを考えさせられた。

今日は自分の仕事が手一杯だったので、後輩くんにとある装置の立ち上げ作業を頼んだ。私としては、装置に電源を入れた後、必要なソフトウェアをインストールして、動作確認までお願いしたつもりだった。しかし後輩君がやっておきましたと言うので、午後になって状態を見に行くと、見事にスイッチを入れただけの状態だった。頼み方が悪かったのだろうか。仕方なく残りの作業を自分でやる。コミュニケーションって難しい。

2023年3月17日(金) 曇りのち雨

7時に起床。今日も朝読書のためカフェへ。しかし、カフェを目の前にして財布を持ってくるのを忘れているのに気が付いた。集中するためスマホも持ってきていなくて万事休す。仕方なく帰宅する。じゃ家で本読むかと思っていたのが、10ページほど読み進めたところで眠くなってきてしまい結局二度寝してしまった。私は家での朝活はできない質らしい。

仕事は今日も出社日。私は入社して10年目になるのだが、去年の夏、同じ部署に初めての新人が配属された。他部門からの転属で後輩は何人かいたが、新人が同じ部署に来たのは実に10年ぶり。つまり私以来であった。私も入ったとき、一番近い先輩が10年目の先輩だったので大体このスパンでくる部署のようである。入社3年目くらいの頃は、毎年新人が入ってくる部署にいる同期を見て「雑用をすぐに引き継げていいなぁ」と思っていた。でも10年目になった今振り返ってみると、新人が中々入ってこない部署というのも、案外悪くはなかった。いつまでも新人気分で分からないこともは聞きやすかったし、周りと年が離れているぶん面倒な付き合いが無かった。会議室の予約とか、飲み会の幹事が面倒であることを除けば、とても過ごしやすい部署だったと思う。

今日はその新人君が勘違いで全然違う作業をして、他部門に無駄な作業を走らせてしまっていた。他部門なので新人だということが分からないのか、チャット上で辛辣な言葉を掛けられている。私もいくつか作業を教えてこともあって、私宛にも「フォローしてあげなきゃ」という旨のチャットが来た。自分のミスで誰かに迷惑をかけた時は心底申し訳ない気持ちになるのだが、他人のミスで注意されてもさほど気分は害さないことがわかった。逆に自分も誰かをフォローする立場なのだと認められている気分になれて嬉しい。しかしフォローと言っても一体どうすれば良かったのか。今の私には逐一ケアしてあげるほどの余裕はない。

その時、ふとOVER THE SUNのEp.122(ちょうどいい、がちょうどよくて)で聞いた美香さんの言葉を思い出した。「私が浄化したいもの」というお題で届いたお手紙を紹介するコーナーでの言葉だった。届いていたのは、ワンオペ育児の大変さを乗り超えてきた方からの「今の若い子たちの育児に関する愚痴を素直に聞いてあげられない。そんな自分の気持ちを浄化したい」という相談である。

きっとあのとき自分がかけて欲しかった言葉を掛けてあげるのが良いんだと思います。(49:40-)

後輩の愚痴も聞きつつ、自分も浄化されるアドバイス。文脈は違うが、これがなぜだか刺さった。新人だった私がミスした時に一番つらかったのは、そのあとで放置されたことだ。だから私は実験室のある階に下りて行って、作業している新人君に声をかけてみる。私と話す分には案外落ち込んでいる様子もなく、トレーナーに当たる人に対して「何も分からない仕事をいきなりやれって言われたんすよ」と文句を言うくらいの元気があった。しかし本心までは分からない。そういえば私も新人のころは「何が分からないのか分からない」状態が数年続いたから結構つらかった。そのとき私の助けになったのは、私のレベルを理解して、しっかり語彙のレベルを私に合わせて下げてくれる先輩の存在だった。サウイウモノニワタシハナリタイ。

2023年3月18日(土) 雨

7時に起床。9時に恋人と合流していつものお店で朝ごはんを食べた。休日にしっかり雨が降るのは久しぶり。本当は二子玉の辺りを散策(+ラーメン二郎 上野毛店)する予定だったのだが、雨で出歩くのが面倒になってしまい、そのままスーパーで食材を買って家に帰宅した。

家にずっと昔に買ったライスペーパーがあり、その賞味期限が切れそうだったので、生春巻きを作ることになった。

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メインの具材を見栄えの良い位置に揃うように巻くのが難しい。あと具材が足りなすぎて、最後の方はほとんどレタスとカイワレ大根しかない生春巻きになってしまった。

カオマンガイも作りました。鶏肉入れて米を炊くだけのやつ

あとイチゴのケーキも

明日から節制しないと。

2023年3月19日(日) 晴れ

昨日は夜寒くて久々にオイルヒーターをつけて寝た。23時前には寝たはずなのに、朝の寝起きは良くなく、8時過ぎまでベッドでうだうだとしてしまった。朝型の恋人がシャキッと起きて、ハムエッグを焼いてくれていた。朝食はハムエッグとご飯に、昨日食べ残してしまった生春巻き。生春巻きは皮が乾燥して固くなってしまっていたのであまり美味しくなかった。

昼前に恋人と解散して、恋人は水泳の練習へ、私はジムへ行く。今日のジムには細身なのに、私が目標とするような重量でベンチプレスをガンガン上げている方がいて、軽く挫折感みたいなものを味わった。昔はこの挫折感が嫌だった。今やっている自分のトレーニングに対して不安感が出てきてしまう。でも最近はこの程よい挫折感が、惰性的なトレーニングを断ち切る良いきっかけになっている。このところデッドリフトとスクワットの重量は緩やかに伸びているが、どうもベンチプレスが中々伸びない。パーソナルジムへの入会も、お金もかかるし、仕事が忙しい中で通えるのかといった不安で中々決心がつかない。でも今日の挫折を受けて、今の仕事の繁忙期を乗り越えたら、ベンチプレスの強化のために入会して見ようかと少し確度が上がった気がした。