迎春記

しがないゲイの日常

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一人バケツリレー(地獄)

1年ぶりにベランダの掃除をしました。

1年前に掃除した時のことは良く覚えています。2020年のゴールデンウィーク中のことです。"今年のゴールデンウィークは九州の九重連山に行ってテント泊をするぞ"と意気込んでいたのに、新型コロナの影響でステイホーム週間となってしまいました。それでもせっかく買った山岳用のテントをどうしても使いたくて、ベランダにテントを張っておうちキャンプをすることにしたのです。

おうちキャンプ当日。さぁテントはどうやって固定しようとベランダのドアを開けて考えようとしたとき、まず思ったのが"ここで寝たくない"ということでした。まだ入居して1年足らず。窓越しにみるベランダはそこまで汚れていないと思っていたのに、直接目で見てみると砂埃が黒い斑点となって一面に広がっていたり、鳥のフンも落ちていたり。排水溝付近は落ち葉などのゴミが溜まり、今まで良く雨水を流してくれていたものだと思うほどでした。テントという布を挟むとはいえ、ここで寝るなんて考えられない。そう思って急いでGoogleで「ベランダ 掃除 方法」と検索して、ベランダを掃除することにしました。

Google先生によれば、まず「水に濡らした新聞紙を床にまいて、埃や髪の毛など細かいゴミを巻き取る」とのこと。......そういえば小学校のベランダ掃除でも同じようなことをしたことを思い出しました。その次は、「残っているゴミを掃き取り、住宅用中性洗剤で汚れをこすり取る」......住宅用というのが良くわかりませんでしたが、我が家にある中性洗剤は食器用のみでしたのでそれで代用です。若干の不安がありましたが、床にこべりついた砂埃が浮き上がり、洗剤が茶色くなりました。うん。問題なし。その次は、「水で流す」...よしよs...あ。

我が家のベランダには水道の蛇口はありませんでした。長いホースもありません。

ここからが地獄でした。家にかろうじてあったバケツを持って、洗面台とベランダとの往復です。1杯のバケツで流せる汚れなどたかが知れています。一応排水溝に向かってごく緩やかな傾斜はありますが、バケツで水をかけても、砂埃を吸った茶色い洗剤の塊がサーっと周りに広がるだけ。上手く排水溝に流すまでに何度も行ったり来たり。昼過ぎには終わらせようと思ったベランダ掃除は、結局夕方ごろまでかかりました。

その地獄の思い出がトラウマとなり、この1年間、砂埃の汚れが目立とうとも、排水溝に落ち葉がたまってこようとも目を逸らし続けました。

 

それがつい先日のことです。Amazonで面白い商品を見つけました。それがこちら。

 

洗濯機用の蛇口にホースを接続するための分岐栓です。Amazonにはこの分岐栓とホースリースがセットになったものがあったので、さっそく購入して本日1年ぶりのベランダ掃除に臨みました。

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これがもう最高。あの地獄の一人バケツリレーで運んだ水が、親指のワンプッシュで運ばれてきます。あぁ何で僕はこの一年間「ベランダ掃除 水道ない」で検索しなかったのだろうと自分の愚かさを恨みました。本当にこの商品を開発してくれたtakagi様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。もうこの連続した水流が気持ち良すぎて、デッキ用ブラシを使って、まるで歯を磨くようにベランダを磨き上げました。

毎朝、朝日を受けるベランダのドアからは目を逸らしていましたが、明日はきっとそのベランダに素足で立ち、気持ちの良い朝の空気を吸うことになるでしょう。