迎春記

― 手持ち無沙汰なあなたにゲイの小噺を ―

悔しい。ただそれだけ。

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今日の記事はお読みにならない方が良いかもしれません。

  

本日、僕の友人に不幸があり、あまりに突然のことで心が落ち着いていません。

 

文章にすることでその心を落ち着かせたいのと、今日のこの気持ちをいつでも思い出せるように、という完全に個人的な思いからこの記事を書きます。僕の気持ちを書き殴っただけの文章です。読んでいて気持ちの良いものではないと思います。

 

ご了承ください。

 

しゅん

 

 

浩紀が死んだ。

 

31歳。癌だった。

 

どこの癌かは知らない。でも死んだ。

 

なんであいつが。

 

悔しい。ただそれだけ。

 

 

浩紀は大学のバドミントンサークルの後輩。俺より1つ年上だけど、俺より1つ下の学年の"後輩"。

 

面白い奴だった。

 

俺は人見知りだったから、サークルでもいつも気の知れた同級生とばかりつるんで、先輩とか、後輩とか、そういう縦の付き合いは悪かった。

 

だから、ほとんどの後輩が俺と話す時、遠慮したような、空気を読むような、そんな距離の取り方をしてきた。

 

でも浩紀は違った。

 

やたらと俺に絡んできた。

 

飲み会では真っ先に顔が赤くなる俺を見つけて飲ませ、さらに赤くなる俺をからかってきた。

 

バドミントンをしている時は、みんなの前で酔っ払った時の俺のモノマネをしてみんなを笑わせてた。

 

俺はそんな浩紀が好きだった。

 

 

去年の9月。

 

同じサークルの後輩の美咲からLINEが届いた。

 

「浩紀と婚約しました!」

 

おーついに。

 

浩紀と美咲は学生の頃からのカップルだ。

 

おめでたい報告かと思ってた。

 

でも違った。

 

「で、あともう一つ!」

 

「浩紀が癌で入院しました。みんなからのメッセージを集めて、応援動画を作りたいです。一言で良いので、メッセージ動画を私に送ってください。浩紀に皆の元気を分けてください」

 

動画の送付期限は次の日までだった。

 

色々急すぎて混乱したのかもしれない。

 

おめでたい報告と抱き合わせだったから勘違いしたのかもしれない。

 

俺は勝手に癌は初期のものだと思ってた。

 

だから動画の期限早ぇなってくらいにしか思ってなかった。

 

結婚式のお祝いメッセージ作る時もそうだけど、何で決まって短納期なんだろうって。

 

ただ今回は、いつもと違って期限が短い理由がしっかり書かれてた。

 

「明日から抗がん剤の治療が始まって、2〜3日後には副作用が出始めるそうです。だから早めに完成させたい。急ですが、よろしくお願いします」

 

俺はすぐに動画を送った。

 

そして送ったことを忘れてた。

 

 

そしたら、たった5ヶ月で浩紀は死んだ。

 

聞いてない。

 

そんな深刻だったなんて聞いてない。

 

何がいけなかったの?

 

みんなの分けた元気が足りなかったの?

 

俺の同期はみんな動画送ったのに?

 

じゃたまたま不運だったってこと?

 

何すれば良かったの?

 

どうすれば浩紀に不幸が来なかったの?

 

不幸を引き離す方法って無いの?

 

幸運を引き寄せる習慣はあるのに?

 

なんで無いの?

 

なんで?

 

なんでだよ!

 

 

幸運は引き寄せないとやって来ないのに、不幸は呼んでもないのにやって来る。

 

なんでだよ!

 

呼んでないのに来んなよ!

 

俺は浩紀の分まで頑張ってなんて生きられない。

 

俺は俺で精一杯。

 

他のみんなだって大概そんなもん。

 

だから悔しい。ただそれだけ。