迎春記

― 手持ち無沙汰なあなたに贈るゲイの小噺 ―

杉田水脈議員のヤジと和菓子。

f:id:heckyeah_dude:20200126182039j:plain

元旦の日。テレビをつけると、『マツコの知らない世界』の再放送がやっていました。お題は「和菓子の世界」。

  

皆さん、和菓子って食べますか?

 

僕はほとんど食べる機会がありません。

 

あるとしたら、ちょっと良い旅館に泊まった時に部屋のテーブルに置かれているものを食べるとか、温泉街へ旅行して温泉まんじゅうを食べ歩きするとかくらい。だから、この時番組で"御三家"として紹介されていた『虎屋』、『両口屋是清』、『鶴屋屋𠮷信』でなんて買ったことがありません。

 

でもそこで紹介されていた和菓子は、景色を切り取った物だったり、背景に物語があったりと、ただのお菓子としてだけではない面白さがあって、とても興味を引くものばかりでした。和菓子をほとんど買いに行かない僕が言うのは本当に無責任なんですが、こういう"日本らしい物"はこれからも残っていって欲しいなと思いました。

 

 

またこの時、ゲストである虎屋の黒川社長が江戸時代から社内で保管されているお菓子の見本帖を紹介していたのですが、その中に"バナナをかたどった和菓子"というのがありました。バナナが一般的になったのは、輸入自由化がされた戦後の話ですから、きっとバナナが珍しい果物だった頃に作られていたお菓子でしょう。

 

それを見たマツコさんが「しっかりその時代の新しい物を取り入れていらっしゃるんですね」とコメントしていて、なるほどなと思いました。和菓子屋を長く守り続けていくには、伝統の味を守るだけでなく、"常に新しい物を取り入れる柔軟さ"も必要なんだなって、そう感じたからです。

 

 

そんなことを思い出したのは、最近こんなニュースを見たから。

 

mainichi.jp

 

はい。少し前に「同性愛者は生産性がない」発言でゲイの間では一気に知名度の上がった杉田水脈議員です。久々に見ましたね。この方のニュース。また炎上気味です。全くこの人は...。笑

 

きっと彼女の中では、結婚に対して少し前時代的なイメージがあるのかもしれません。彼女の中の"古き良き伝統的な日本"のイメージが。

 

でも、伝統を守っていくためには、時代の新しい物を取り入れていくことも必要なのだということを、ぜひ虎屋さんの柔軟な姿勢から学んでほしいなと感じました。

 

 

と同時にですね、自分にはそういう"柔軟さ"ってあるのかなって自省してみたんですよ。

 

そしたら見事に無いなって思いました。笑

 

突然ですが皆さん。この話を聞いてどう思います?

 

今の二宮金次郎像って座ってるらしいんですよ!笑

 

 

f:id:heckyeah_dude:20200126181440p:plain

 

僕が子供の頃は薪を背負って、歩きながら本を読むその姿は「勤勉」の象徴として捉えられていたんですけど、今では「歩きスマホを誘発するから」って言う理由で座らされているらしいんです。

 

他にも、似たような話として「桃太郎」。

 

これも昔は桃太郎が鬼ヶ島の鬼を退治して、宝を持ち帰るって話だったんですけど、今では「退治」ってのが暴力的だから話し合いによって共生の道を見つけるってなってたり、宝を持ち帰るのは略奪だから「奪われた宝は持ち主の元へ返しました」とフォローする一文が追加されたりしているんですって(※結末は本によって様々らしいですが)。

 

もう一度聞きますけど、この変化どう思いますか?笑

 

僕はね、どこか"抵抗感"みたいのを感じてしまったんですよ。変えるか変えないかでどちらか投票するとしたら、多分、変えないに一票投じると思います。もし国会の場だったとしたら、杉田議員よろしく、

 

「だったら二宮金次郎像なんて置かなきゃ良い!!」

 

「だったら桃太郎なんて読まなきゃ良い!!」

 

そんなヤジを飛ばすかもしれません。...いや。そこまで熱くなる話じゃないですね。笑

 

でも何か、大人側の勝手な被害妄想で子供たちのことを見くびっている感じがしませんか?

 

二宮金次郎なんて銅像が歩きながら本を読んでいようと、歩きスマホは危ないよってことは理解してくれると思うし、桃太郎のお話も、現実とお伽話の区別くらいつくと思うんです。いくら子供だって。

 

「夫婦別姓」の議論と、「二宮金次郎」や「桃太郎」の話を同列に語るのはちょっと乱暴でしたかね。笑

 

でもつまり僕の中にもですね、何かを変えることに対して、柔軟でない一面があったってわけです。

 

 

僕は変化を取り入れる判断ができるのは、自分の中で変えるべきではない、守っていくべきものがわかっている人だけだと思います。

 

虎屋さんで言えば、自分たちのあんこの伝統的な味...あんこの粒の硬さとか、砂糖と練り上げる時のしゃもじに伝わる粘りとか、炊き上がる湯気の匂いとか、、そういう職人さんに代々伝わる変わらない技術があるからこそ、その時代の新しい変化を取り入れる大胆さを持てたんじゃないかなって思うんです。

 

だから、杉田議員のような意見に対しても、ただ叩くのではなくて、日本が変えずに守っていくものと、時代に合わせて変えていくべきものを線引きをする議題として、"生産性のある"議論にしてもらえたらと思います。