迎春記

― しがないゲイの小噺 ―

『世にも奇妙な君物語』のあらすじ&感想【朝井リョウ】

僕は「世にも奇妙な物語」が大好き。一番印象に残っているのは、やっぱり大杉漣の「夜汽車の男」。これはホントに爆笑。あとは鈴木杏の「密告ネット」、キムタクの「BLACK ROOM」、堂本光一の「昨日公園」とかかな。今でも印象に残っているのは。今年は先月に秋の特別編がすでに放送されたので、いつものペースであれば次は来年の5、6月だろう。

「え!!そんな先まで待てない!!」

そんなあなたに朗報です。あなたの"世に奇妙"欲、簡単に解消できるんです。やり方は簡単。書店に行って下記を購入しましょう。以上。

世にも奇妙な君物語 (講談社文庫)

世にも奇妙な君物語 (講談社文庫)

  • 作者:朝井 リョウ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/11/15
  • メディア: 文庫
 

...って、何だかうまいこと言ってやったみたいな雰囲気出してるだけれど、もう文庫になってる本だし、"世に奇妙"好きならきっと読んてる人も多いよね。すみません。でも、せっかく僕も読んだということで、何番煎じか、そりゃもう煎じ過ぎて何も抽出できないような頃合な気がするけれど、紹介させて頂くこととする。

本書はタイトルもそうだが、構成に関してもドラマ同様、五つの短編から成るオムニバス形式。さらには、執筆の事前にドラマのプロデューサと会話までしてるってんだから、もうこれは、本家公式の"書籍版"世にも奇妙な物語と言っていいだろう(ねぇ、プロデューサさん?)。では、ネタバレに気を付けつつ、各話をサラッと紹介。

 

※※※※※※

もちろんネタバレはさせてないですし、物語の設定をサラッと書いているだけのつもりですが、まっさらな気持ちで本書を読みたい方は、感想までジャンプを!!

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あらすじ

第1話 シェアハウさない

シェアハウス、と言えば、それは通常何かをシェアするもの。貧乏学生同士がシェアハウスをしているのであれば、それは「家賃」をシェアしているのだし、恋愛したい若者同士のシェアハウスであれば、そこでシェアされているのは「出会いの場」だ。フリーライターの田上浩子は、シェアハウスの特集記事を書いている時に、偶然1件のシェアハウスと出会った。

しかし、このシェアハウス、どうも奇妙だ。何をシェアしているのかが、さっぱりわからない。

そこに住む4人は、お金はそれなりに稼いでいるようだから家賃シェアの線は無いし、かといって年齢もバラバラ。出会いの場をシェアというわけでも無さそうだ。気になって、さらに調査に乗り出す浩子。そして、知ってはいけない彼らの"シェア"を知る。

第2話 リア充裁判

お得意の"奇妙な法律"のお話。今回の奇妙な法律、その名も「コミュニケーション能力促進法」。日本人らしい豊かなコミュニケーション能力を培うために制定されたその法律では、無作為に選んだ十八歳以上の男女を対象に、コミュニケーション能力を評価する「能力調査会」を設けることを定めた。通称「リア充裁判」。そして、裁判で不合格(=コミュ力無し)と判断された者には、恐ろしい"追加課題"が課せられる...。

第3話 立て!金次郎

主人公は金山孝次郎。27歳。男。幼稚園教諭。小さい頃からスポーツをしていて、ガッシリとした体格。28cmの大きな足。白い歯。クシャっとなる笑顔。女子たちからの評判は「大型犬っぽくてかわいい」。笑ったときの擬音は"ニカッ!"。

...はぁ好き。

おっと、いかんいかん。幼稚園には沢山の行事がある。入園式、遠足、お遊戯会、文化祭、運動会、などなど。それら年間行事を通して、全ての子供に"平等に"輝けるポジションを分け与える。それが孝次郎の働く「にじいろバンビ幼稚園」の方針だった。孝次郎は、そんな園の方針にどうも賛同できないまま、1年の最後の行事である運動会を迎えようとしていた。孝次郎の組にいる小寺学人君には、まだどの行事でも目立った出番が無い。しかし学人君は、明らかに運動会向きの子ではないし、本人も運動会で目立つのを嫌がっている。さぁどうする、孝次郎?

第4話 13.5文字しか集中して読めな

タイトルは13.5文字。要約は3行で。それがワールド・サーフィン社が配信する【サーフィンNEWS】のニュースコンテンツのフォーマットだった。SNSに慣れ、長い文章を読まなくなったネットユーザーのニーズとマッチし、あっという間に定着した。主人公は、そんなワールド・サーフィン社で働くニュースライターの香織。仕事は忙しいけれど、息子の直喜は「将来はママみたいになりたい」と言ってくれるし、夫・裕嗣は残業の多い香織のためと家事に協力的だった。しかし、そんな裕嗣の帰りが最近とつぜん遅くなった。疑念の影が少しずつ香織に忍び寄る。

...正直、5話の中ではこの話の結末が一番キツイなって思った。

第5話 脇役バトルロワイアル

物語は溝淵淳平、八嶋智彦、桟見れいな、勝池涼、渡辺いっぺい、板谷夕夏の6人が、とある舞台オーディションの最終選考に残ったところから始まる。あれ、名前がどこか実在の俳優に似ているような...。しかも脇役として有名な俳優たちに...。そう、これは完全に意図的なネーミング。それぞれ、実在の俳優に置き換えて想像しながら読ませる前提の物語だ。いやぁ、脇役俳優ってすごいんだなぁ。そして、最後のオチね。言えないけど。

感想

いやぁ面白かった。どれも最後のオチが半端ない。世に奇妙ファンなら大満足の1冊。というか、世に奇妙ファンでなくても、満足できる1冊。サクッと読めるし、何より読みだすと止まらない。毎日出勤中、惰性でスマホゲームをやってしまう、そこのあなた!来週は1週間、出勤中にスマホを触るのをやめて、本書を1日1話読んでみるってーのはどうでしょう?